小説の遊び
例題 >その花は美しかった。(2003/09/20〜 11/22) 『美しい』というのはよくある表現ですよね〜。 この『美しい』との言葉を使わずに『花(はな)』の 『美しさ』を表現してみようって遊びです。 っで、「その花は美しかった」で、好き勝手にシチュエーションを作ってみませんか? |
すけっち 例えば 『花弁と葉に露が朝の光に反射し小さな虹を映し出す。 その露の中の小さな煌きが、私の目に映った』 (たぶん、現代物のような〜) 『その花の名はスペース・ラフレシア・ブルー。 銀河系の小さな星に咲く美しすぎる花。だが、その星を生め尽くす。デカすぎだ。(オイ?)』 (スペースオペラコメディ?) いろいろイメージが、「その花(ハナ)は美しかった」から浮かんできます。 頭ひねって遊んでみてくださいね♪ |
卯の花兎さん その花の色を、私は口に出すことが出来なかった。 いや、色の名などこの際どうでも良い。 きっと、私の目にしか映らないその色は、彼の人には全く違う色となって映るであろうから。 いずれにせよ、その花を見て彼の人は、深く静かな溜息をつくのだろう。 美しい、その花を見て。 ------------------------- ・・・なんかこっぱずかしい文章が浮かんでしまいました。(笑) 現代恋愛物、でしょうか。雰囲気としては。 花一輪の描写って、結構気を遣うものなんですね。 目の前にある花を誉めるのは容易いけれど、文章だけで伝えようとするとてんてこ舞です。 |
◆卯の花兎さん |
太秦の怪人さん 花瓶に飾られた花束も、いつかはその若々しさを失い、 色あせ、散っていくのは自然の摂理と言える。 カウンターに置かれた花瓶の中に、若々しい花に囲まれ、 ただ一本だけ色あせたそのカーネーションを見つけた時、 僕は思わずじっと見入ってしまった。 そんな僕の姿を見つけたのか、彼女は仕事の手を止め、 僕の傍らにやってきた。 「あら、このカーネーション変な色になってるわね」 「元はオレンジだったんだろうけどね。一本だけくすんで 変な色になってる」 「捨てようか。枯れかけた花を飾っていたら、お客様の目にもつくし・・・」 そっと手を伸ばした彼女を、僕はやんわりと制止した。 「いや、僕が持って帰るよ。散ってしまうまで生けておくのも いいんじゃない?」 彼女は「そう?」と一言言うと、自分の机に戻っていった。 色あせても、しおれても、最期まで生きようとしている その花を、僕は捨てる気にはなれなかった。 その姿も「花」のあるべき姿だと思ったからだ。 ------------------------------------------- 「美しさ」とは若干違った表現になってしまったかもしれませんが、 まあ「美しさは一時をもって論ずるにあらず」といったところで。 実はこのエピソードは今日実際に職場であった出来事です。 ただし「このカーネーション変な色になってる」という 先輩の言葉に返した私のセリフは「これはこういう種類なんです。 ドドメ色のカーネーションの花言葉は「滅亡」だそうですよ」 などというセリフを返した、というところが真相で あったりするのですが(笑) |
◆太秦の怪人さん |
太秦の怪人さん-
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Scarlet.D.T
さん- 2003/11/14(金) 蛇口から落ちる細い水の糸が、クリスタルの一輪ざしに吸い込まれていく。 彼女は蛇口を締め、花瓶の首を持って流し台の窓辺に置いた。 どんよりとした空が広がっている。水滴が、ゆっくりとクリスタルの曲線をなぞっているのが見えた。 「大丈夫よ」 白い手が、目の前にやんわりと差しのべられた。 私は握り締めていた一本の黄色いばらを、テーブルごしに渡した。何枚もの花びらが細い茎の上で沸き立っている。 彼女がそっと触れると、音もなくひとひらが落ち、テーブルの木目の上に鮮やかな影を落とした。 彼女は剪定用のはさみで茎を少し切り、切り口をガスコンロで炙り始めた。 「葉に黒い斑点ができて枯れてしまった。もう全部、最後のひと株も。せっかく咲き始めたのに」 手のひらに、むしりとった葉と棘のちくちくとした感触が残っていて、両手でこすっても消えない。 「大丈夫よ」 火を止め、切り口をちょっと見てから花瓶にさした。 「大丈夫だから」 そんなに何度も言わなくていい。何度言われても事態は変わらない。何 も変わらない。大丈夫なものか。間もなく枯れてしまう運命なんだ。せっかく咲かせた花だというのに。 「病気だなんて嘘みたい。こんなに鮮やかな、濃い黄色は初めて見たわ。」 「君が、黄色が好きだと言うから」 彼女は、しばらくだまったまま花を見つめた。 そしてゆっくりと振りかえり、一度瞬きをしてから、一言ずつ確かめるように言った。 「わたしのために、作ってくれたの?」 「でももう、全部枯れてしまった。それが最初で、最後の花なんだ」 落ちた花びらを拾おうとテーブルに指を這わせると、彼女の細い指先がそれを止めた。 「大丈夫よ」 「何が大丈夫なんだ。全部枯れてしまったんだぞ」 「ずっと覚えてるから。私の大好きな色だもの、忘れないわ」 花びらが、震える指先に触れた。 外は相変わらず灰色の雲に覆われていたが、花瓶の縁で虹が小さくきらめいていた。 微かな日を浴びて、黄色いばらが微笑んでいる。 -------------------------------------- 面白そうだったので参加させて頂きました。 ちょっと長くなってしまいましたー(汗) 最初、もっとこう毒々しく「滴るような赤い花弁がテーブルクロスの上に散(略)」とか 考えていたんですがヤメました(笑) 園芸家夫妻を設定してシチュエーション作ってみました。 花の美しさ、なかなか難しいですね。 |
すけっち@管理人 |
Scarlet.D.Tさん 2003/11/15(土) 20:43 - HOME 表現の難しさ >すけっちさん 素敵な深読みありがとうございます(笑) 旦那さんが「品種交配で花を作っている」事が伝わっていて「よっしゃ!」と思わずガッツポーズです。 文中で明確に書くか、ちょっと悩んだので。 どんよりとした空気の中に濃い黄色って鮮やかだなー (=「美しい」イメージにならないか?)と思って作った文なので、 ストレートに「美しさ」を形容するという事から逃げていますが(汗) >「 」と○○は言った。 職業作家さんは原稿用紙の一行で○百円とか○千円になったりするので、 行数稼ぎに「と言った。」を連発する方が時々いらっしゃる、と聞いた事が(笑) 「と○○が言った。」という表現が文章上で必要になる事ってあんまり多くないかと思うのですがどうでしょうか。 実際台詞ごとに「と言った」をつけるとかなり愉快な感じになるようですし(笑) 「」がついている時点で喋った台詞なのだから「と言った。」は不必要、 と書いた人がどこかにいたような(うろ覚え)。同じような理由で、 一人称小説で「私は」を連発する必要も無いだとかなんとか。 言われてみれば納得ですが実際書いてるとあんまり考えが及ばなかったり。 場面に出ているのが2人なら、「○○が〜」といちいち名前を書かなくても 誰が言った台詞なのか混乱する事は稀かと思います。 同時に4、5人〜大人数が喋るシーンだと(あんまりなさそうですが) 誰の台詞か区別するのちょっと大変そうですね〜。 |
すけっち@管理人
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