写真でお題


 『空を結ぶ青
 ちょっと、SFっぽい。このビルは、空へ向う通過点・宇宙管制システム。そんなビルで働く人々の物語。どんな人が働いているんだろう〜主役は女性がいいなぁ〜上司との恋もあったりして……現代物の恋愛と変わらんとツッコまないように〜〜っ!(笑)
 こんな、感じで好き勝手にイメージが膨らましてみましょう。それは、1つじゃなく、限りないバリエーションがあります。そういうイメージの飛ぶ姿を楽しんでみませんか?

素材サイト:


ご参加サンクス

 文月いのさん 水月さん 太秦の怪人さん 旅鴉さん
霹靂と飛ばるるものへ』  旅鴉 

 空はずいぶんと大喰らいだ。
 誰かが気付いた時にはもう遅く、いつの間にか世界は喰われ文明は喰われ、人は正気さえ喰い尽され、蒼くて眩しい空以外には何もかもが無くなって、それから永い事、僅かな生き残り達は待っている。
 残っているのはもう、たったひとつの建造物だけ。あらゆる総ては密度の皆無な、空、空、空。そんなきらびやかな蒼穹をはね返して、この鏡面の直方体は未だ空に逆らい続ける。しかし今はもう、地面と呼ばれるものなど跡形も残っていない。消化され残った大陸のカスはこうやって――ほら。白い雲になって空の胎内をゆらゆら漂い続けている。おそらくはこれからもずっと、永遠に。
 理性すら喰いつくされて正しい動物の姿になった、人類最後の群れ。彼らは待っている。彼らの内の誰か一人がこの冷たい箱から飛び出して、空に喰われて空になる、その時を。
 だが、誰かは現れない。大きな風が吹き向けた時、空に焦がれて啜り泣く者はいくらだっているというのに。
 一陣の暴風。
 それは鎮魂歌。それは子守唄。死んだ世界に空が唄う、優しく厳しく、無責任な叙情詩。ホモ・サピエンスだったイキモノ達は気付いている。だから彼らは咽び泣く。これからは墓守として在り続けなければならない自分たちの運命に、果てしなき永遠に慟哭する。
 銀の色をした無名の墓標。
 世界の為でもない、人類の為でもない、空が空の為だけに有する、滅びし覇者の遺物。かつて稲光以外に空を切り裂くことができたのは、この墓石の主以外、他にない。
 一瞬の内に空にまで膨れ上がって繁栄した、輝かしい二本足のケダモノ。毒々しくおぞましいまでに鮮烈だった、一条の痛々しい光よ。
 それはやはり、霹靂に似ていたのかもしれない。


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 この物語もどきには理屈も意味も何もありませんが、アタマの中に浮かんだイメージを一気に書くのは、とても楽しい時間であります。
 僕も日常の雑事がなかったら、いつまでもこんな空を眺めて ぼけーとしてたいです。でもその場合、こんな鬱な思考は無しに限りますけどね(苦笑)。

 あ、ご存知の方も多いと思いますが、霹靂(へきれき)というのはカミナリの事であります。あまり常用する言葉ではないので、一応注釈をばさせて頂きます。失礼しました。


天空の清掃員  太秦の怪人 http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Ink/7778/

おう、お前さん。何を珍しげに見てやがんでい。
ん? あのビル? 空がきれいに映っているから見てるって?
こいつぁ面白いことを言うもんだ。ちょいと視線を移しゃ本物のお空が
拝めるってぇのに。何、人工物に映る空に文明と自然の対比を感じる?
へえ、あんた詩人だねぇ。でもおあいにく様、あれでも汚れてるんだぜ。
え? そりゃあ分かるさ。おいらはあのビルのに窓拭きをやってんだ。
今日は仕事の日でな、これからあのビルをきれいにするってところだ。
ん、そりゃあ、屋上からゴンドラ降ろしてだな・・・危ない? 馬鹿言っちゃ
いけねぇ。おいらそれでおまんま食ってんだから。子供も3人育て上げたんだよ。
まあ、あんたが何の仕事してんだか知らねぇが、そういう仕事もあるってことさ。

しっかしまああんたのように空に気を配る人がいるったあ驚きだ。
いやね、このあたりを歩く人間てぇのは、あのビルの内側の人間みてぇに
みんなせかせか歩き回って、手元足元しか見てやがらねぇ。いやそれが悪いとは
言わねぇけどな。空を見上げる余裕もねぇんだろうなあ。
・・・ん? あのビルのどこが汚れてるんだって? そりゃあここから
見れば分からねぇだろうなあ。お月様だって、ここから見りゃあ
ゴツゴツの岩肌と分からねぇのと同じでさ、あの窓、拭けば雑巾は真っ黒になるぜ。
まあ一昔前に比べりゃましになったがな。
・・・大変な仕事ってんならそうかもしれないな。拭いても拭いても
汚れは付くし、もっともそうでなけりゃおまんまの食い上げだけどな。はっはっは。

そういや昨日だっけか、年端のいかないお嬢ちゃんに言われたっけな。
「お空を拭くおじちゃん」って。いや、笑ったさ。
あんたどう思う? そうかもしれない? ふうん、いや、あんたみてえな
若者までそう思われたら困るんだけどな。
まあ、子供からすりゃあ、おいらはお空を拭くおじちゃんかもしれねえが、
実際お空を拭くも拭かないも、人間みんなの話なんだよな。

だってそうじゃねぇか。おいらがいくら窓拭いてきれいにしたって、
そこに映る「空」が汚くちゃ何もならねぇだろ。
お空を拭く雑巾はみんなが一つずつ持ってるってこった。

・・・ちょいと話しすぎた。さぁて、今日もいい天気になりそうだ。

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もうちょっといい話の書き方があったように思いますが、ちょいとばかり
環境問題と職人さんのつぶやきを混ぜてみました。
「窓を拭くのは自分、空を拭く(きれいにする)のはみんなの心がけ」って
意味を含めたかったのですが・・・難しいですね。

個人的にはもう少し狂った方向がよかったかなと思います。
「青空製造株式会社」とかの、利権がバリバリ絡んでくるお話とか。


私と彼を結ぶ空』  水月   http://watermoon.nce.buttobi.net/

 あのビルには私の大好きな彼が働いている。

 私の好きな空が一面に映し出され、晴れた日は、私と空を結ぶ青いビルへと変わる。
 首が痛くなるのを覚悟でじっと見上げていると、壁面を歩いて空へと行けるんじゃないか、ビルのどこかで働いている彼のもとへ行けるんじゃないか、なんて空想が頭をよぎる。
 空へと向かうなら、途中で出会う彼を誘ってみるのもいいかもしれない。一緒に行ってくれるだろうか。
 空への思い、彼への想いを聞いてほしい。

 私は目の前のビルへと足を踏み入れた。
 空の中で働く彼のもとへと向かうために――。

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は、恥ずかしい! ものすっごい恋愛にしてしまいましたよ!(汗)
こんにちは。
私の頭は「話を作れ」と言われるとどうしても恋愛と結び付けたくなるらしいです。おかげでこのような恥ずかしいブツが出来上がりました。
これから告白する、でも、彼と彼女はすでに付き合っている、とでもシチュエーションはお任せします。
SFは苦手だなぁ、と実はこっそり避けていたんですが、よく考えればSFにとらわれることもないんだな、と思い直して上のSSを考えました。というか、どう見ても私の中ではSFに結びつかないらしいです(笑)
写真からこうして簡単なものを作るっておもしろいですね。写真の受け取り方が皆違ってて個性が出るというか。
また気が向いたら参加させてもらいたいなと思っています。
それでは。


君への発信』   文月いの http://www5f.biglobe.ne.jp/~calc-emo/

この街の何処かに、宇宙との交信塔があるんだって。

まだ私が小学生だったとき、同級生が言った言葉を思い出した。
私はいま、上司の目を盗んで、昼日中に職場を抜け出し、オフィス街の暑い歩道に立ち尽くしている。ガラスの壁に囲まれて、反射する陽光に目が眩む。

たとえば あんな ビルディングの 屋上。

見上げた私の目を、最上階のガラス窓からの閃光が刺した。
………のは気の所為だったようだ。思わず目をつむり、やがて開いたときには、窓は雲の翳になっていた。

私は自分と、宇宙からの交信を信じていたあの子を笑いながら、それでもどこからか電子音が微かに聞こえたらよいという思いつつ、短い昼休みを終えることにした。

Pi Pi Pi。

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ご無沙汰しております。
管理人さまの「宇宙につながってる」発想を勝手に拝借してしまいました。
仕事してると、まず日中はそとに出ないので、こんなふうに空を見上げることがないなあ、と思って書いてみました。(私、疲れてるのかな…(^^;
それにしてもキレイな空ですね


みなさん、素敵な作品をありがとうございました。

 

 

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